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江津湖というのは私の郷里熊本のさして大きくはないが、水の美しさと清澄さ、数多の淡水魚の豊富さとで有名な湖である。阿蘇山がその水源地といわれ、水前寺という川が、山麓の森林地帯の地下水を集めて楽し気なせせらぎの音を立て乍ら、江津湖へ流れ注いで、湖水は何時も溢れるばかりの水をたたえている。(中略)
一体にこの地方は江津湖や水前寺川のみならず、到るところに沼沢や小川があって宛然一大水郷をなしている。従って魚心あれば水心・・・ではない、水心あれば魚心という具合で、夥しい川魚が棲息している。こんなところに育った関係から私は幼時から水と魚を相手に暮らして来たと言っても誇張ではない。素晴らしい美人や、美しい草花、それ等に増して「魚」を賛美するもの、それは私に取って自然な事だ。(堅山南風「想い出のままに」より抜粋)
・メール kakubinta@gmail.com
※カーソルを魚の写真の上に置くと種名が表示され、クリックすると詳しい解説を見ることができます。
二ホンウナギ
(Anguilla japonica)
ウナギは深い海で産卵し、稚魚は川をさかのぼり、川で餌を食べて大きく成長します。成長したウナギは、産卵のためにまた海へ戻っていきます。
昼は石垣のすき間などに潜み、夜になると泳ぎ回ってカニや他の魚を捕まえて食べます。
昔の江津湖には、「穴釣り」といって、石垣のすき間でウナギを狙う釣り名人がたくさんいたようです。
2013年12月 江津湖で撮影
平瀬の石組み護岸のすき間に身をひそめる二ホンウナギ。
2017年7月 江津湖で撮影
湧水が湧き出している石組みの奥からこちらを伺い見る二ホンウナギ。
ウナギが食べるであろうスジエビも近くにたくさんいました。
2012年4月 江津湖で撮影
穴釣り名人に見せてもらった釣果。
穴釣り用の竿3本のうち、1本は市販のウナギ針が、もう2本は自作の針がつけられていました。エサはミミズとのこと。
2018年5月 江津湖で撮影
子供が捕えた二ホンウナギ。
2021年7月 江津湖で撮影
日中に湧水地の石組みのすき間から、よく肥えたウナギが顔を出しました。
2021年8月 緑川水系で撮影
夕方近くに、隠れ場であった岩のすき間から泳ぎ出してきました。
まだ若い個体のようですが、やせ細っているので放流個体かも知れません。