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カゼトゲタナゴ
(Rhodeus smithii smithii)

カゼトゲタナゴを含め、タナゴの仲間は、ビンタ、シビンタとも言われます。

 

カゼトゲタナゴは九州北部のみに生息する固有種です。大きな個体でも5cm程度と小型ですが、青いラインが特徴で、繁殖期のオスは赤や黒などに色づき、「淡水魚で最も美しい」とも言われます。イシガイなどの二枚貝に卵を産みつけて繁殖します。

 

砂泥底で、浅く緩やかな流れを好むようです。かつては上江津湖にいたそうですが、最近では産卵母貝のイシガイなどと一緒に減ってしまい、めったに見ることがありません。

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2012年4月 江津湖で撮影

この時は幸運なことに、江津湖で複数のカゼトゲタナゴを捕まえました。

江津湖で局所的に残っている産卵母貝のイシガイとともに、世代を引き継いでほしいです。

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2015年4月 江津湖で撮影

幸運にも、江津湖で捕まえたカゼトゲタナゴです。

1989年に江津湖で行われた調査の報告書には、「上江津湖の湧水域のごく一部の流水に生息する。」とありますが、江津湖での生息環境は大きく変化しています。

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2019年5月 緑川水系で撮影

緑川水系の農業用水路で、カゼトゲタナゴたちが闘争していました。

​水質が割とよく、浅くて適度に水草が生えています。流速は毎秒5cm程度でしょうか。もちろん、カゼトゲタナゴの生息にはマツカサガイやイシガイなどの産卵母貝がいることが必須です。

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2019年5月 緑川水系で撮影

小さなマツカサガイをのぞきこむ2匹のカゼトゲタナゴのオスです。

水深が30cmもない浅い水路で小さな魚たちの行動を観察していると、個人的にはとても幸福な気分になれます。

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2019年4月 他の川で撮影

春先の伏流水が流れる水路に、若々しいカゼトゲタナゴたちが群れていました。

前年の夏ごろに生まれた個体と考えられ、二年目のこの年の春夏に繁殖し、冬を越えることなく死んでしまうのだと思われます。

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2019年4月 他の川で撮影

カゼトゲタナゴのオス(上)とメス(下)が水路底をずっとのぞきこんでいました。ここにはイシガイが潜っているようです。

オスは他のオスが近づくと追い払い、この後、産卵・受精を行いました。

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2014年5月 他の川で撮影

カゼトゲタナゴのオスが、ヒレをいっぱいに広げて他のオスと闘争していました。

​ちょっと近づきすぎて画像がにじんでしまいました。

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