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江津湖というのは私の郷里熊本のさして大きくはないが、水の美しさと清澄さ、数多の淡水魚の豊富さとで有名な湖である。阿蘇山がその水源地といわれ、水前寺という川が、山麓の森林地帯の地下水を集めて楽し気なせせらぎの音を立て乍ら、江津湖へ流れ注いで、湖水は何時も溢れるばかりの水をたたえている。(中略)
一体にこの地方は江津湖や水前寺川のみならず、到るところに沼沢や小川があって宛然一大水郷をなしている。従って魚心あれば水心・・・ではない、水心あれば魚心という具合で、夥しい川魚が棲息している。こんなところに育った関係から私は幼時から水と魚を相手に暮らして来たと言っても誇張ではない。素晴らしい美人や、美しい草花、それ等に増して「魚」を賛美するもの、それは私に取って自然な事だ。(堅山南風「想い出のままに」より抜粋)
・メール kakubinta@gmail.com
※カーソルを魚の写真の上に置くと種名が表示され、クリックすると詳しい解説を見ることができます。
カワムツ
江津湖のあたりではヤマソバエ、ヤマソともいいます。
大物は20cmを超えます。体の横に黒くて太い線があり、ヒレは黄色です。
岸際に茂る植物の下などで流れが緩やかなところに群れています。水生昆虫などを好む雑食性です。
体の割には口が大きく、食いしん坊なので釣るのは容易です。
2014年3月 江津湖で撮影
湧水地の早瀬にいつもカワムツが群れているところがあります。川に浸かってのぞき込むと岩陰に隠れました。
2010年11月 江津湖で撮影
冬が近づいた頃、上の写真と同じところで捕まえたカワムツです。
幼少時と変わらずこの場所に来ればカワムツが遊んでくれます。
2010年5月 江津湖で撮影
江津湖で全長20cmを超えるカワムツを釣り上げました。
見事な婚姻色で、顔が黒、腹はオレンジ、ヒレは黄色に色づいていました。目元や口元にはニキビのような追星(おいぼし)と呼ばれる白い突起が現れます。
2015年4月 江津湖で撮影
強い流れが当たる深みに、カワムツが群れていました。
岸際の植物が水面を覆うようなところでカワムツをよく見ます。
2022年7月 江津湖で撮影
初夏の早朝、きれいなカワムツが湧水地に向かって上り始めました。
他のカワムツたちと闘争するシーンも見せてくれました。