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江津湖というのは私の郷里熊本のさして大きくはないが、水の美しさと清澄さ、数多の淡水魚の豊富さとで有名な湖である。阿蘇山がその水源地といわれ、水前寺という川が、山麓の森林地帯の地下水を集めて楽し気なせせらぎの音を立て乍ら、江津湖へ流れ注いで、湖水は何時も溢れるばかりの水をたたえている。(中略)
一体にこの地方は江津湖や水前寺川のみならず、到るところに沼沢や小川があって宛然一大水郷をなしている。従って魚心あれば水心・・・ではない、水心あれば魚心という具合で、夥しい川魚が棲息している。こんなところに育った関係から私は幼時から水と魚を相手に暮らして来たと言っても誇張ではない。素晴らしい美人や、美しい草花、それ等に増して「魚」を賛美するもの、それは私に取って自然な事だ。(堅山南風「想い出のままに」より抜粋)
・メール kakubinta@gmail.com
※カーソルを魚の写真の上に置くと種名が表示され、クリックすると詳しい解説を見ることができます。
ウグイ
江津湖のあたりではイダともよばれます。
大物は40cmを超えます。他の魚と比べると、鱗の目が細かくきれいです。産卵期のオスはオレンジ色になります。雑食性です。
湧水地や水前寺公園など、どちらかというと水がきれいなところでよく見かけます。
2016年7月 江津湖で撮影
早朝の湧水地をウグイたちが遡上していました。流下してくる何かを食んでいます。
金属光沢のある目の細かい鱗が美しく、尾びれが立派です。
2019年4月 緑川水系で撮影
春の湧水池に、大型のメスと思われる個体がゆっくりと泳いでいました。
鼻先が伸びているのは、タカハヤと同じ理由で産卵時に砂礫に潜るためだと思います。
2017年5月 緑川水系で撮影
子供が釣り上げた個体です。うっすらと橙色に色づいているのは婚姻色の出始めでしょうか。
2024年8月 江津湖で撮影
大型のウグイたちが早朝から湧水地に遡上してきます。
昆虫などの流下物を盛んに食べているようで、流れてくるセミを食べたこともあります。
また、闘争に夢中のオイカワたちを追跡することもあります。
2019年7月 他の川で撮影
堰堤の下に、婚姻色をまとったウグイたちがいました。