since 2019
江津湖というのは私の郷里熊本のさして大きくはないが、水の美しさと清澄さ、数多の淡水魚の豊富さとで有名な湖である。阿蘇山がその水源地といわれ、水前寺という川が、山麓の森林地帯の地下水を集めて楽し気なせせらぎの音を立て乍ら、江津湖へ流れ注いで、湖水は何時も溢れるばかりの水をたたえている。(中略)
一体にこの地方は江津湖や水前寺川のみならず、到るところに沼沢や小川があって宛然一大水郷をなしている。従って魚心あれば水心・・・ではない、水心あれば魚心という具合で、夥しい川魚が棲息している。こんなところに育った関係から私は幼時から水と魚を相手に暮らして来たと言っても誇張ではない。素晴らしい美人や、美しい草花、それ等に増して「魚」を賛美するもの、それは私に取って自然な事だ。(堅山南風「想い出のままに」より抜粋)
・メール kakubinta@gmail.com
※カーソルを魚の写真の上に置くと種名が表示され、クリックすると詳しい解説を見ることができます。
モツゴ
モツゴは全長8cmほどの細身の小魚です。
口の先は細く尖っていて、体の横に太めの黒っぽい線があります。産卵期のオスは体の線が消え、全身が黒くなりなかなか美しいです。
下流域の流れが緩やかで水際に植物が茂る場所を好みますが、護岸された人工的な水路や水が汚れた水路でも見かけます。
産卵期は4~7月頃で、オスは石や流木などに縄張りを作り、そこに産みつけられた卵をオスが保護します。
2019年5月 緑川水系で撮影
水草の多い水路で捕まえたモツゴです。
2009年9月 江津湖で撮影
下江津湖の水草の多い止水域でモツゴが釣れました。江津湖では決して多い方ではないと思います。
2018年7月 江津湖で撮影
オイカワやコウライモロコが泳ぐような、上流の流水環境に珍しくモツゴがいました。通常は流れのない環境を好みます。
2021年8月 他の川で撮影
とある川の少し流れのあるところですが、こうした環境にもやって来るようです。