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江津湖というのは私の郷里熊本のさして大きくはないが、水の美しさと清澄さ、数多の淡水魚の豊富さとで有名な湖である。阿蘇山がその水源地といわれ、水前寺という川が、山麓の森林地帯の地下水を集めて楽し気なせせらぎの音を立て乍ら、江津湖へ流れ注いで、湖水は何時も溢れるばかりの水をたたえている。(中略)
一体にこの地方は江津湖や水前寺川のみならず、到るところに沼沢や小川があって宛然一大水郷をなしている。従って魚心あれば水心・・・ではない、水心あれば魚心という具合で、夥しい川魚が棲息している。こんなところに育った関係から私は幼時から水と魚を相手に暮らして来たと言っても誇張ではない。素晴らしい美人や、美しい草花、それ等に増して「魚」を賛美するもの、それは私に取って自然な事だ。(堅山南風「想い出のままに」より抜粋)
・メール kakubinta@gmail.com
※カーソルを魚の写真の上に置くと種名が表示され、クリックすると詳しい解説を見ることができます。
ニゴイ
体は細長く、鼻先が長く、1対の短い口ひげがあります。全長50cmほどになり、コイと間違われることもあります。20cmくらいまでの幼魚は側面に暗色の斑点があります。
大きな川の中・下流域から汽水域、湖などに生息します。雑食性で、江津湖でも流れの緩やかな水域の底近くで砂の中の餌をとっている様子が観察されます。
以前は江津湖で確認された記録がないため、国内外来種である可能性があります。
2024年8月 江津湖で撮影
早朝に、川底でエサを探すニゴイたちがいました。
ニゴイは通常は警戒心が強く、人影をみるとすぐに泳ぎ去ってしまいます。
2020年3月 江津湖で撮影
産卵期が近づく3月末、早瀬にニゴイたちが集まって瀬を上ったり下りたりしていました。臆病なニゴイにしては珍しく、近づいて写真を撮ることができました。
2015年8月 江津湖で撮影
割と小型の若いニゴイたちです。
2015年6月 江津湖で撮影
平瀬でエサを探すニゴイの口元に小型のルアー(スプーン)を投げ、40cmほどのものを釣り上げました。ウルトラライトタックルだったので、結構走られました。
熊本に観光に来たという方から、ニゴイはフライにするとすごくおいしいよと言われました。
2015年6月 江津湖で撮影
顔が長細く馬面です。こんな魚、昔は江津湖にはいなかったと思います。やはり国内外来種かと思いますがいかに。