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江津湖というのは私の郷里熊本のさして大きくはないが、水の美しさと清澄さ、数多の淡水魚の豊富さとで有名な湖である。阿蘇山がその水源地といわれ、水前寺という川が、山麓の森林地帯の地下水を集めて楽し気なせせらぎの音を立て乍ら、江津湖へ流れ注いで、湖水は何時も溢れるばかりの水をたたえている。(中略)
一体にこの地方は江津湖や水前寺川のみならず、到るところに沼沢や小川があって宛然一大水郷をなしている。従って魚心あれば水心・・・ではない、水心あれば魚心という具合で、夥しい川魚が棲息している。こんなところに育った関係から私は幼時から水と魚を相手に暮らして来たと言っても誇張ではない。素晴らしい美人や、美しい草花、それ等に増して「魚」を賛美するもの、それは私に取って自然な事だ。(堅山南風「想い出のままに」より抜粋)
・メール kakubinta@gmail.com
※カーソルを魚の写真の上に置くと種名が表示され、クリックすると詳しい解説を見ることができます。
イトモロコ
全長8cmほどの小魚です。体型はずんどうで、口元のひげが長く、一列の鱗がやや大きいです。
流れのゆるやかな砂底や砂礫底に多く、底の方を群れて泳いでいます。江津湖では広範囲にみられます。雑食性です。
5~6月ごろ、礫の間に卵を産みつけます。
2018年7月 江津湖で撮影
江津湖の川底で、エサをとるイトモロコです。
側面の一列の鱗の幅が大きく、一本の帯のように見えます。ヒゲも目立ちます。
2016年1月 江津湖で撮影
ワンド状のところの水底付近に、小型のイトモロコが群れていました。
2021年7月 江津湖で撮影
湧水池の底近くで群れるイトモロコ。時々国内外来種のタモロコが一緒に泳いでいることもあります。
2019年11月 他の川で撮影
ヨシの陰に、たくさんのイトモロコたちが群れていました。
イトモロコは、たいていの川で普通に見られます。