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江津湖というのは私の郷里熊本のさして大きくはないが、水の美しさと清澄さ、数多の淡水魚の豊富さとで有名な湖である。阿蘇山がその水源地といわれ、水前寺という川が、山麓の森林地帯の地下水を集めて楽し気なせせらぎの音を立て乍ら、江津湖へ流れ注いで、湖水は何時も溢れるばかりの水をたたえている。(中略)
一体にこの地方は江津湖や水前寺川のみならず、到るところに沼沢や小川があって宛然一大水郷をなしている。従って魚心あれば水心・・・ではない、水心あれば魚心という具合で、夥しい川魚が棲息している。こんなところに育った関係から私は幼時から水と魚を相手に暮らして来たと言っても誇張ではない。素晴らしい美人や、美しい草花、それ等に増して「魚」を賛美するもの、それは私に取って自然な事だ。(堅山南風「想い出のままに」より抜粋)
・メール kakubinta@gmail.com
※カーソルを魚の写真の上に置くと種名が表示され、クリックすると詳しい解説を見ることができます。
ギンブナ(Carassius sp.)
大型のものは30cmほどに成長します。
生息場所は幅広く、江津湖でも上流から下流まで普通に見られます。
産卵期は3~6月で、抽水植物帯で産卵します。雑食性です。
釣りの対象魚としても人気があります。警戒心が強く、驚くと一斉に逃げます。
2022年7月 江津湖で撮影
湧水地の沖合で、割と大型のフナたちが水底のエサをついばんでいました。
2019年1月 江津湖で撮影
冬に深みに群れていたフナたち。全長20cm足らずの若々しいフナたちでした。
寒鮒はおいしいと言います。昭和18年生まれの父が子供のころは、熊本市の水前寺から出水にかけて川魚屋が数件あり、そこで買ったフナを味噌汁や甘露煮にして日常的に食べていたそうです。
2019年1月 江津湖で撮影
水草の下にかくれたフナ。
2021年8月 江津湖で撮影
流れに身を任せ、警戒心の強いフナに接近できました。
2011年4月 江津湖で撮影
宮本ボートの桟橋でのんびりと釣りができていた頃の思い出の一枚です。
毎日釣りに来るというおじいさんが釣り上げたきれいなフナを写真に撮らせてもらいました。
春先にカイツブリの鳴き声を聞きながら、江津湖の桟橋でのんびりと釣り糸を垂らすのはとても気持ちの良いものでした。