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アブラボテ(Tanakia limbata)

タナゴの仲間は、ビンタ、シビンタとも言われます。ニガビンタ、という言い方もあるようです。

 全長5cmくらいの中型のタナゴです。口元に一対のヒゲがあり、体の色が油のように茶や黒く色づくため「アブラボテ」の名前がつきました。

ゆるやかな流れがあり、水草の多い場所をすみかとします。4~8月ごろ、生きた二枚貝の中に産卵します。マツカサガイを好んで産卵に使うようです。

 ヤリタナゴと同じように、もともと江津湖では普通にいた魚のようですが、最近ではほとんど見かけません。

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2018年4月 他の川で撮影

​春はアブラボテの産卵の季節です。

マツカサガイやヌマガイがいる小さな川には、たくさんのアブラボテがいました。

写真は大型のオスとメスがペアを組み、マツカサガイをのぞいているところです。現在の江津湖ではこのようなアブラボテの繁殖行動を見ることはありません。マツカサガイがほとんどいないからです。

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2014年1月 江津湖で撮影

小型のアブラボテを数年ぶりに江津湖で見つけました。いるところにはとてもたくさんいるのですが・・・。

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2019年5月 他の川で撮影

​口元に長いひげを持っています。

​実はとても食いしん坊で、釣りをしていると真っ先に餌を食べてくれます。

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2021年3月 江津湖で撮影

アブラボテが数匹江津湖にいました。かつては普通にいたというマツカサガイ、イシガイ、ドブガイ類の減少とともに、江津湖ではアブラボテをほとんど見なくなりました。

色々な魚や貝が普通にいて、子供たちが手軽に釣ったり捕ったり、時には食べたりといった普通のことが、なかなかできなくなっています。

江津湖に限らず、生きものに溢れる楽しい川や水路に戻ればよいと思います。

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2021年3月 江津湖で撮影

上の写真と同じ日に江津湖にいたアブラボテです。

​石に付いた藻類か何かを盛んに食べていました。

参考にした主な図書・文献:
・山渓ハンディ図鑑15 日本の淡水魚(編・監修/細谷和海、写真/内山りゅう).山と渓谷社.2015年
山渓カラー名鑑 日本の淡水魚(著/川那部浩哉).山と渓谷社.1995年
くらべてわかる 淡水魚(文/斉藤憲治、写真/内山りゅう).山と渓谷社.2015年
・日本のドジョウ 形態・生態・文化と図鑑(文/中島淳、写真/内山りゅう).山と渓谷社.2017
・日本のタナゴ 生態・保全・文化と図鑑(文/北村淳一、写真/内山りゅう).山と渓谷社.2020
・くまもとの自然シリーズ1 江津湖の自然(監修/吉倉眞).熊本生物研究所.1986年
​・昭和63年度加勢川河川環境整備調査基礎調査報告書(5)江津湖の魚類.熊本県.1989年
清水稔.江津湖の魚類相~電気ショッカー船調査での確認を中心に~.熊本博物館館報No.29.熊本博物館.2017年.53-64頁
・甲守崇.江津湖の帰化魚について. 江津湖 第2号.江津湖研究会.1987年.17-19頁
・甲守崇.「江津湖の自然 魚の食餌行動と食性(1)」 江津湖 3号.江津湖研究会.1988年.92-93頁

・松原健治.「河童堀」昔今!.江津湖 第5号.江津湖研究会.1991年.106-108頁
三宅ほか.ミトコンドリアDNAと形態から見た九州地方におけるニッポンバラタナゴの分布の現状. 日本水産学会誌74(6).日本水産学会.2008年.1060-1067頁
長田ほか.福岡県の水路に生息する6種のタナゴ類の分布の比較.魚類学雑誌35巻3号.日本魚類学会.1988年.320-331頁
・堅山南風.想い出のままに.求竜堂.1982年.33・225頁
・Sakai, H., Iwata, A., Watanabe, K., Goto, A. (2024) Taxonomic re‑examination of Japanese brook lampreys of the genus Lethenteron with descriptions of two
​ new species, Lethenteron satoi sp. nov. and Lethenteron hattai sp. nov., and re‑description of Lethenteron mitsukurii. Ichthyological Research: online first

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