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カネヒラ(Acheilognathus rhombeus)

全長が10cmを超える大型のタナゴで、フナと見間違うこともあります。産卵期のオスは体がピンク色に色づきます。

 

付着藻類やオオカナダモなどの柔らかい水草を中心とする雑食性です。他のタナゴは春から夏にかけて産卵しますが、カネヒラは夏から秋かけて、イシガイを好んで産卵するようです。

 

最近の江津湖ではイシガイをあまり見かけないため、カネヒラもとても少ないです。

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2013年8月 江津湖で撮影

江津湖で数匹のカネヒラのオスたちが闘争を繰り広げていました。

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2009年10月 江津湖で撮影

江津湖でのんびりと釣りをしていると、大型の平べったい魚が釣れました。カネヒラのメスでした。お腹から出ている黒い管は産卵管です。

これ以来、江津湖でカネヒラを釣ったことはありません。子供の頃には時々釣れていたのですが・・・。

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2010年8月 緑川水系で撮影

夏の盛りに、水草の多い水路でカネヒラが釣れました。上がメス、下がオスです。

​カネヒラたちは水草を活発に食べていたところでした。

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2013年10月 緑川水系で撮影

イシガイなどの二枚貝が非常に多い用水路では、秋になると産卵期のカネヒラがちがたくさん集まっていました。速い流れの中でヒレを広げて闘争するオスのカネヒラです。

カネヒラの貴重な産卵場であったこの水路は、2013年度の公共工事で三面コンクリート水路となり、豊富にいた二枚貝たちとともに魚は激減しました。

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2014年3月 緑川水系で撮影

上のカネヒラを撮影した水路底には、ご覧のようにドブガイ、イシガイ、マツカサガイがたくさん潜っていたのでした。

多少の環境配慮工法は取り入れられましたが、工事後にこのように大量のイシガイ類が住むことのできる環境はまだ回復していませんし、回復するのかどうかも分かりません。

カネヒラ191006-520.JPG

2019年10月 緑川水系で撮影

緑川水系の水路で何とか生き残っているカネヒラ。

​イシガイが潜っているらしい水路底をのぞいています。

参考にした主な図書・文献:
・山渓ハンディ図鑑15 日本の淡水魚(編・監修/細谷和海、写真/内山りゅう).山と渓谷社.2015年
山渓カラー名鑑 日本の淡水魚(著/川那部浩哉).山と渓谷社.1995年
くらべてわかる 淡水魚(文/斉藤憲治、写真/内山りゅう).山と渓谷社.2015年
・日本のドジョウ 形態・生態・文化と図鑑(文/中島淳、写真/内山りゅう).山と渓谷社.2017
・日本のタナゴ 生態・保全・文化と図鑑(文/北村淳一、写真/内山りゅう).山と渓谷社.2020
・くまもとの自然シリーズ1 江津湖の自然(監修/吉倉眞).熊本生物研究所.1986年
​・昭和63年度加勢川河川環境整備調査基礎調査報告書(5)江津湖の魚類.熊本県.1989年
清水稔.江津湖の魚類相~電気ショッカー船調査での確認を中心に~.熊本博物館館報No.29.熊本博物館.2017年.53-64頁
・甲守崇.江津湖の帰化魚について. 江津湖 第2号.江津湖研究会.1987年.17-19頁
・甲守崇.「江津湖の自然 魚の食餌行動と食性(1)」 江津湖 3号.江津湖研究会.1988年.92-93頁

・松原健治.「河童堀」昔今!.江津湖 第5号.江津湖研究会.1991年.106-108頁
三宅ほか.ミトコンドリアDNAと形態から見た九州地方におけるニッポンバラタナゴの分布の現状. 日本水産学会誌74(6).日本水産学会.2008年.1060-1067頁
長田ほか.福岡県の水路に生息する6種のタナゴ類の分布の比較.魚類学雑誌35巻3号.日本魚類学会.1988年.320-331頁
・堅山南風.想い出のままに.求竜堂.1982年.33・225頁
・Sakai, H., Iwata, A., Watanabe, K., Goto, A. (2024) Taxonomic re‑examination of Japanese brook lampreys of the genus Lethenteron with descriptions of two
​ new species, Lethenteron satoi sp. nov. and Lethenteron hattai sp. nov., and re‑description of Lethenteron mitsukurii. Ichthyological Research: online first

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